7月31日の話。前回記事の続きです。

寝台特急"あけぼの"に乗車して、青森に到着しました。青森駅の改札を出て、まずは青函連絡船の保存施設「青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸」へ。

青函連絡船として青函トンネル開通まで使用された八甲田丸が桟橋に残され、船内には青函連絡船に関する展示物が多数展示されています。

 

展示物の一つとして、車両甲板には青函連絡船にゆかりのある保存車両が収納されています。まずはヨ6798から。

・車歴
製造年・製造所は不明。

貨物列車の車掌が乗務するための専用車掌車です。（案内板より）

八甲田丸の大きなヘッドマークを付けて保存されています。所属表記は「仙コタ」。



続いて2両が保存されているスユニ50。

・車歴
製造年・製造所は不明。

国鉄の所有した郵便車の最終型で、荷物室と郵便室の両方を備えていました。昭和61年(1986)10月に鉄道貨物・鉄道郵便が廃止されたため廃車にされました。（案内板より）

数少ない国鉄郵便車の生き残り。この他には中央郵政研修センターのオユ10 2555を訪問したことがあります。こちらはスユニ50 509。



スユニ50 510。こちらの車両は車内灯が点けられていますが、車内への立ち入りはできません。



郵便車を表す郵便マーク。



続いてキハ82 101。

・車歴
製造年　1965年
製造所　富士重工

昭和36年(1961)10月の白紙ダイヤ改正で、全国の非電化区間に快適な特急の旅をもたらした、国鉄動力近代化の中心となった特急用のディーゼルカーです。（案内板より）

函館運転所に所属していたキハ82の先頭車。青函連絡船と接続する道内の特急列車として運用されました。



特急シンボルマークが紛失し、痛々しい姿になっています。盗難のためと思われますが、某鉄道部品販売店のHPに画像が上げられており、詳細は不明。



こちらの車両も車内灯が点けられているものの、車内には入れません。



妻面。国鉄銘板が紛失。所属表記は函ハコ、検査表記は59-6 五稜郭車セ。



続いてDD16 31。

・車歴
製造年月日　1974年4月25日
製造所　川崎重工
1974年4月25日　長万部機関区
1980年10月1日　五稜郭車両センター
1986年3月31日　五稜郭車両センターで廃車

線路状態の良くない簡易線区(低規格線)へ入線できるよう軸重(レールにかかる機関車の重さを対の車輪であらわしたもの)を軽くしたディーゼル機関車で、全国で幅広く使われていました。（案内板より）

青函連絡船とは関係がありませんでしたが、北海道ゆかりの車両として保存されたのでしょうか。製造からたった12年しか使われなかった少し不遇なカマ。DD16は現在でも長野と若桜鉄道で現役ですね。1エンド側はライトが紛失。



こちらは2エンド側。ヒ834と連結。



最後に4両が保存されているヒ600。

・車歴
不明。

連絡船の中に、車両を出し入れする時に使用された可動橋にかかる重量を少なくするため、機関車と出し入れする車両の間に連結された出し入れ専用の貨車で、控車の名称を持っています。（案内板より）

ヒ833。



ヒ834。

 

他の2両は展示位置が悪く撮影できず。屋内に保存されているためどの車両も車体の状態は良好ですが、あまりにも人目につかない場所にあるのと、複雑な構造のために整備が難しそうなのが難点。八甲田丸自体にだいぶ痛みが出ているので、今後閉館・解体とならないかが心配です。

このほかの船内の展示物。青函連絡船に関する品々や北海道の生活品等が展示されている「青函ワールド」（船の科学館にあったものとほぼ同じもの）。



グリーン席の座席が一部残され、青函トンネル建設時のVTRが上映されています。羊蹄丸もそうでしたが、当時の客室の雰囲気があまり残されていないのは残念です。



操舵室。



上からは青森ベイブリッジが見えました。



この後は、青森駅に戻って、天理臨を撮影するため奥羽本線に乗車します。続く。